コートハウス/Memo 男の部屋
コンクリート、鉄骨、ガラス、メープルの床と家具の木材、様々な素材が混在する空間に柔らかな自然光が降り注ぐ
『シンプルな構造で自然が感じられる空間』をコンセプトとしている土居氏。建築はものづくりであるから、施主と設計物のコミュニケーションは不可欠であるという。この住宅は広島県西部の昔ながらの閑静な住宅地にあり、北東と東南が道路に面した周辺環境である。また瀬戸内海に面したこの地域は温暖で真冬でもほとんど雪が積もらない。施主の要望は、バーベキューができるスペースとこの核となるコート、光が確保できるアトリエ環境、また、北東のガラス面はブラインドを下げずに生活できることだった。そこで長方形の建物を内外に分割し、混構造からなる1階から2階へ伸びる3本の鉄骨柱によって、縦と横に開放感と連続性をもたらそうとした。コートをグレーチングの床とし、1階から2階に伸びるケヤキの木によって、光、風、緑の自然が感じられる空間をつくり出そうとしている。柔らかな自然光、コンクリート打放し、亜鉛メッキの鉄骨、メープルの床と家具の木材で構成された荒さと柔らかさが混在した空間に、施主は意外とすんなりとけ込めているようだ。
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